私の趣味の一つに「ブログの過去ログをひたすら読む」というものがあります。特定の誰か、とか、話題になっている誰か、ということはあんまりありません*1。定期的に読み返すのではなくて、気がついたら延々読んでいて、目も肩も腰も疲れる。大掃除や引っ越し準備でうっかり本を読み返して時間が過ぎ去るのと少し似ています。
今は雨宮まみさん( id:mamiamamiya )のはてなダイアリー「弟よ!」を少しずつ読んでいます。ちょうど最近同僚に文庫の「女子をこじらせて」(幻冬舎文庫)を貸していたのと、先週から風邪を引いて体調を崩し気味だったのとで、ちょっとずつ読んで楽しむ読み物のような気持ちで読んでおりました。「弟よ!」の更新、もういつだったか思い出せないのですが、まあまあ初期の方から読んでいたはずだったんです。しかし今読むと意外に覚えていない。これはしめたものです。新しい読み物として読めるから。
で、ごく普通に淡々と「次の日>」のリンクをクリックしておりましたところ。
「セクシーであることに疲れる」って? - 雨宮まみの「弟よ!」
★現在発売中の「QuickJapan」の、「NEXT JAPANESE 100」という特集に、はずかしながら雨宮が掲載されています。私が文章を書いているのではなくて、ばるぼらさんが私の紹介をしてくれています。ありがとうございます。
ちなみに、私はばるぼらさんのサイトをインターネットエクスプローラで見ていて、文字化けしていたのですが、そのことをずっと「わざとだ」と思っていて、「今日の化け、かっこいいな」「お、文字が変わった。更新されてる」という観察の仕方をしていたのですが、先日「BECK」という文字列があったので「!!! もしかして文字化け、わざとじゃない?」と思い、Safariで見てみたら……ちゃんとした日本語だよ。今まで見てきた奇妙な文字の正体が何だったのか気になります。
というか私はカンニング竹山が性的な意味で大好きなんですが、QJ、カンニング竹山が表紙だと知っていたら、もっとマシな写真を用意したのに……。
カンニング竹山が表紙のQuick Japan! それ私持ってる! 持ってるけどカンニングのパートしか読んでねえ*2。
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これです。なぜカンニング竹山が表紙のQuick Japanを買い、それを今まではっきりと記憶しているのか。
私はカンニングの明確なファンではなかったけれど、バラエティ番組「虎の門」(テレビ朝日)に出た二人を面白いと思い、キレ芸を面白いと思い、あちこちのテレビ番組で二人の姿を見るようになって「売れてよかったなぁ」とぼんやり思っていました。その直後、中島忠幸さんが病に倒れてしまいます。ものすごく些細なことですが、中島さんは私と同じ誕生日で、年代も近い。さらに、そのあたりで私は中野に住んでいて、中島さんがアルバイトをして後に副店長まで上り詰めた中野駅近くのお総菜屋さんで買い物をしたこともあった。そういう些細なことが積み重なって、中島さんの白血病からの復帰を願っていました。しかし、一時退院で番組に出るかも、という予告があった後に再度体調を崩し、もしかしたら相当調子が悪いのかな、と思っていたら、亡くなってしまいました。ちょうど本田美奈子.さんも同時期に闘病され、亡くなったので、単なる芸能人の訃報としてだけでは受け止めきれない重さがありました。同年代でしたし。
「虎の門」で中島さんの追悼VTRのカンペを無言で出す竹山さん、流れるVTR、追悼の文字、という構成は今でも忘れません。
最後に、お笑い芸人らしく大きな口を開けて威勢良く映った中島忠幸の写真と略歴等のテロップが流れた。
背景は白地、音声は無音。お笑い番組らしからぬしんみりとした雰囲気の画面はこの言葉で締めくくられていた。『竹山さんが突然怒りだし、中島さんがおろおろする芸で人気を集めた。12月21日 朝日新聞より』
『虎の門』での追悼 ( バラエティ番組 ) - 色トリドリノ世界・・・猫、また旅に出る。 - Yahoo!ブログ
朝日新聞の文字があったかどうかまではさすがにとっさのことで覚えていないけど、静止画になった中島さんの笑顔がとてもよくて、本当に本当に残念だ、と思ったのを覚えています。
残された竹山さんは、相方である中島さんの死についてインタビューを受けなかったそうですが、唯一*3インタビューを受けたのがQuick Japanだったそうで、それを読みたくて2007年2月に買って、処分することなく今まで持っていたのでした。やっと買ったところまできました。カンニングの話でこんなに長く書くと思わなかった。
では、その実際のQuick Japan Vol.70です。さっき本棚から引っ張り出しました。
これを買ったときに、9年もこの本を持ち続けるとはさすがに思わなかったし、カンニングの話が意外なことにここまで自分の中に根を下ろしているとも思わなかったし、自分が使っていたサービスを提供する会社であるはてなに入社するとも思っていなかったし*4、はてなダイアリーを遠くの憧れの人という気持ちで読んでいた雨宮まみさんと自社の仕事でご一緒する機会が生まれる*5なんて思っていなかったし、9年後にはてなダイアリーを読み返した挙げ句その掲載誌を自分の本棚に見つけることになるとは、まったくもって思っていなかったのでした。
雨宮まみさんの紹介文を書いたのは、「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」(翔泳社)の著者であるばるぼらさんです。もちろん本は買って読みましたし(残念ながらこちらは実家に置いてあり、すぐには引っ張り出せませんでした)、自社の「はてなニュース」でばるぼらさんにご登場いただいたこともあります。
いろいろなことが、直接ではないけれどインターネット的な何かでつながって、インターネット的な何かを醸し出しているな、と強く感じた、ほんの一瞬の出来事でした。
- 作者: ばるぼら
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