#4 N・P(角川文庫)

「本書は、1990年12月、当社刊行の単行本を文庫化したものです。」と奥付前に書かれている、まさにその単行本を私は持っています。しかし実家に置いてきてしまった。その単行本がどの版のものか全く当時は意識していなかったのですが、「吉本ばななブーム」があった頃、どうも流行りものに素直に乗っかれないなぁ……と感じていた時に買いました。そしてもう何度読み返したことでしょう。あまりにも好き過ぎて、実家を出た後に文庫本で買い直し、さらにKindleでも買ってありました(今確認した)。

「N・P」のどこが良くてこんなに何度も読み返しているのか、文字にするのは難しいです。この登場人物に共感したとか、このシーンがいいとか、そういう見方ができなくて、「とりあえずぜんぶすき」という頭の悪い感想になってしまうのです。高校生の時にたぶん単行本を買って、その時に「大人になったらこういう出来事が起こるような人生だといいな」と思っていました(冷静に考えるとあんまりよくないけど……)。

「N・P」の後に「哀しい予感」「TUGUMI」を立て続けに読みましたが、他のよしもとばななさんの長編小説はあんまり読んでいません。短編やエッセイはちょこちょこ読んでいるのに、なぜ小説は手に取っていないのか、それもあんまり言語化できずにいます。「N・P」がばかみたいに好きだからなんじゃないかと思います。

断捨離しない本シリーズとして書いているけど、単行本も文庫もKindle版も買っているので「断捨離できない」と表現する方が正しいですね。