『日記をつける』(荒川洋治著)を読んだ

昨年夏頃に近所の古本屋さんでふと買って、そのまま少しずつ読み、先日のんびりと一気に読み終えました。2002年2月第1刷。

寡聞にしてエリック・ホッファーのことを知らず、武田百合子富士日記』では存在を知っていたものの日記とは思いづらい美しい文章なのを知らず、最近大河ドラマ「いだてん」に登場したらしい徳冨蘆花『蘆花日記』では生々しくも少しロマンを含む(と、私には読めた)性愛への対峙の仕方(しかも公表されるとは思っていない!)が紹介されていた。石川啄木の『ローマ字日記』は本当に見せないための日記のはずが世に出てしまったものだけど、『蘆花日記』も同じはずなのに読むに耐えうるのが面白いなぁと思う。内田百閒先生は食べ物のことをめちゃくちゃメモっていてすごい。「食べたものを淡々と記録するよ」を思い出す。

日記は日付と曜日と天気があれば成立するという。確かに、何か有益なことを書きつけないといけない、さらにはきちんとした文章にしなければならないという謎の縛りがなぜかできてしまってした。もっとフランクに読んだ本や見たものについて書き留めて後から振り返られるようにしておかないとなぁ。